ベルセルク第10話は、これが掲載されているコミック第20巻の第4節『底の底の知れぬ者』~第10節『イデアの影②』に相当するものです。
第20巻の項目は次の通りです。
【第20巻】
(1)蜘蛛(くも)の糸
(2)頂に舞うもの底に這うもの
(3)ヘルス・エンジェルス
(4)底の底の知られぬ者
(5)脅えし者
(6)兆し
(7)殉教
(8)崩壊
(9)イデアの影①
(10)イデアの影②
(11)イデアの影③
完璧な世界の卵(以下「卵の使徒」)が、自分が生きてきたこれまでの世界に対する怨み節をルカにいうのが10話のテーマの1つだと思います。
また、コミックで見た限りでいえば、僕には卵の使徒のことでよく分からないことが多かったです。
ですが、TVアニメでは、その辺りをうまく構成してありました。
これなら、ベルセルクが初めての人やベルセルクのことをあまり知らない人にもわかり易いだろうなと思いました。
例えば、卵の使徒が自分の命と引き替えに、『完璧な世界』が造られることを望んでいたわけですがそれが明確化されていました。
また、最初で最後の欠片(かけら)が『神』であるということも明かにされていました。
そして、その神が、受肉したグリフィスのことなの?と想記できるように、グリフィスの後ろ姿が一瞬放映されました。
但し、一瞬でしたので、その部分を見落してしまった人やベルセルクのことをよくわかっていない人及びコミックを読んでいない人は、もしかしたら天地創造の神か又は別の神のことと間違ってしまうかもしれないなとも思いました
つまり、どういう種類の神であるかが解らないと思ってしまう人がいるかもしれないということです。
なお、卵の使徒につきましては、僕の別記事『ベルセルク 完璧な世界の卵の生贄ってとどのつまり何だったの?』でも述べています。
また、ベルセルクで一番大事なテーマでもある神についての単行本未収録の欠番第83話で出てくる神につきましては、『 ベルセルクアニメ 幻の83話 深淵の神②(単行本未収録)グリフィス転成の謎考察 』で詳しく説明しています。
よろしければ読んで頂けると嬉しいです。いずれも僕の人気の記事なので、読んで頂いて損にはならないと自負しております。
ところで、今回の話のメインキャストの一人であるルカですが、その精神的な強さは一体どこからくるのでしょうか?
天性のものなのか、教育によるものなのか、はたまた他の要因によるものなのかは不明です。
米国の人気男性ブロガーであるJames Michael Sama氏がいうには、『優しい人ほど、強い心を持っている』ということです。
その理由として、次の7項目を挙げています。
1.優しい人は、自分をさらけ出せる。
2.優しい人は、他人のために尽くせる。
3.優しい人は、傷ついたことがある。
4.優しい人は、我慢強い心を持っている。
5.優しい人は、たくさんの可能性に触れられる。
6.優しい人は、たくさんの視点を持っている。
7.優しい人は、たくさんの幸せを感じられる。
ルカについてこれらを検証します。
1.の『優しい人は、自分をさらけ出せる。』についていえば、ルカは娼婦です。自分を肉体ごとさらけ出していますよね。裸になればこころも裸になり易い。まさに自分をさらけ出す女性ではないでしょうか。
2.の『.優しい人は、他人のために尽くせる。』についていえば、1.と同様で、他人のために尽くしています。
3.の『優しい人は、傷ついたことがある。』についていえば、これもまた1.2.と同様です。職業柄、貶(さげす)まされることも多々あったと思います。なので、傷ついたことはたくさんあったでしょう。
4.の『優しい人は、我慢強い心を持っている。』についていえば、我慢強くなければ娼婦などできない仕事です。嫌な客とも相手をしないとなりません。ですので、これもまた当て嵌まると思います。
5.の『優しい人は、たくさんの可能性に触れられる。』についていえば、職業柄、色んな仕事についている人に会う機会が多いでしょう。ですから、それだけチャンスが多いともいえると思います。たとえば、ジェロームのようないい男性とも知り合いになれました。また、ニーナの病気ために医者から良い薬をもらい受けています。
6.の『優しい人は、たくさんの視点を持っている。』についていえば、娼婦で得た利益をご近所に配り、嫉妬や変な嫌疑を受けないようにするという知恵を持っています。『そのようなことをするのは、もったいない』という普通の考えの仲間とは、違う視点をもっています。
7.の『優しい人は、たくさんの幸せを感じられる。』についていえば、ルカは前向きです。なので、くよくよすることがあまりないでしょう。つまり、それだけ多くの幸せを感じ易い女性だと思います。
というわけで、ルカは7項目にすべて合格です。
このため、ルカは、『優しい人ほど、強い心を持っている』僕の好きな言い方に代えると“強い人ほど優しい”という条件を満たしていると思いました。
そんな魅力的なルカに係る第10話のあらすじは次の通りです。
【あらすじ】
断罪の塔であるアルビオン修道院で、その頂きから落下寸前のルカの重さを懸命にこらえるニーナの手を自ら離すことにより落下し、地面に叩き付けられて死亡したと誰もが思っていたルカであった。
しかし、死神こと髑髏の騎士にルカは助けられ一命を取り留める。
そして、ルカと髑髏の騎士の着地した地点で展開される得たいの知れない怪物である使徒”完璧な世界の卵(以下「卵の使徒」)”と、髑髏の騎士とが対峙したことをこの世のものとは思えずルカは唖然とする。
その後、ルカは卵の使徒にさらわれることになり、彼の望みし”完璧な世界”を孵化することが、”あるもの” と引き換えに実現されるということを知る。
その”あるもの”とは、卵の使徒を囲むこの世界であった。
しかし、ルカには、卵の使徒のことも完璧な世界のことも、意味不明であり、それが何かを問いかけると、卵の使徒は、自分の知る世界についてルカに語る。
それは、具(つぶさ)に人を見ることでわかるということであった。
卵の使徒によると、
人には、
①理不尽に所構わず降り懸かる死と、
②死から逃れる生あるものの苦痛と、
③死への恐怖と、
④その混沌(こんとん)を覆い隠すために打ち立てられた欺瞞(ぎまん)なる秩序と
がある。
それ故、人は、歪む秩序に安寧(あんねい)し、死を押し付けあい、形無き恐怖から逃れたいがために、自らが恐怖を形作る奇妙な祭りを執り行うようになった。
これにより、世界がすでに熱に浮かれ、醜い世界の残骸である人の骸(むくろ)で埋もれ尽くされているという。
そして、卵の使徒は、しかし、自分は、それらに対して何も抵抗することが出来なかったこと、自分を押し潰すだけの世界を自分は憎悪していたのにも拘わらず、その世界の放つ明かりに固執し、逃げることすらできなかったことをルカに告げる。
アルビオンの住人も然りであり、だれもが自分と同様で醜く、卑屈で、あざとく、脅え、憎みながら、何かに縋(すが)っている。
そして、その者達が真に求めるものこそが、この世界に決定的に足りない”最初で最後の欠片(かけら)”であること、そして、その欠片は、大いなる意志の導き・・・・あるいは運命の歯車であって、それは私(卵の使徒)の命と引き替えにやがて現れるもの、即ち、『神』だということを明言する。
ルカはなぜ自分にそのようなことを言うのかを卵の使徒に問いかける。
そこへ髑髏の騎士が現れ、卵の使徒を手負(てお)いに掛けて、ルカを卵の使徒から救う。
そして、断末魔とも思われる卵の使徒から出たことば、
それは、
『誰でもいい・・・誰かと・・・オレが消える前に・・・ただ話を・・・ ・・・・・』
であった。
一方、ガッツは、モズグスの弟子4人(匹)と死闘を繰り広げる。
それらの弟子もみな卵の使徒により使徒もどき となり、ガッツを車輪轢(び)きの刑に処すると断言する。
しかし、ガッツは、車輪轢きにあう直前に義手砲を炸裂させ、その勢いと車輪との激突を利用して、一気に2匹の使徒もどき を撃破する。
続けて炸裂団を利用し、その閃光と破裂で別の1匹の使徒もどきを油断させ、一気にドラゴンころしで仕留める。
弟子達の中でリーダー的存在であったカラスの使徒擬きは、ガッツを負傷させるものの、ガッツのドラゴンころしで一刀両断にされて潰(つい)える。
その戦いの間にもアルビオン修道院に渦巻く怨念の塊が肥大化し、アルビオン修道院は崩壊するに至る。
崩壊したアルビオン修道院の残骸の形は、人の開いた手と化す。
難民窟に居た住民達は我先にと逃げ惑う。
そこへ、羽魔(はま)を広げて飛行し、住民達に神の力の顕現を指し示すモズグスがキャスカを両手で抱きかかえて現れる。そして、住民達に魔女の火刑を執り行うことにより、アルビオン修道院に起こっている怪異に終止符を打つことを宣言する。
アルビオン修道院の崩れた残骸の中から死霊がとり憑いて形造られた四人の天使(ゴッドハンド)の影が、ガッツの行く手に立ちはだかる。
その間にもキャスカは、狂気化した住民たちにより火刑の柱に括(くく)り付けられようとしていた。
そして、今まさにキャスカに火が付けられようとしたところで10話は終わる。
今日も僕のブログ”【そあかん】ベルセルク漫画アニメ映画まとめブログ”にご来訪頂きありがとうございました。
これからも頑張りますのでお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
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