【誕生したばかりのフェムト】
目次
1.序章
グリフィスは、ガッツと知り合ってから数年後、ガッツがグリフィスの元を旅立つまで、ガッツを最高の友と思っていました。
そのことは、ガッツとゾッドとの闘いの時にグリフィスが体を張ってガッツを助けたことなどいくつものエピソードから明らかです。
そんな友愛をガッツに対して抱いていたグリフィスが、何故ガッツやキャスカなどの鷹の団の団員達を蝕で行贄にしてしまったのでしょうか?
また、グリフィスは、何故キャスカに対してガッツの目の前であのような陵辱行為ができたのでしょうか?
グリフィスのこころの変化については、僕が以前寄稿した『ベルセルク グリフィス蝕 『げる』 の本心はここにあった!?』などでも詳しく掲載しましたので,宜しければそちらも読んで頂けると嬉しいです。
本稿と先ほどの記事とは、少し被る部分もあるかもしれないですが、ベルセルクにおける蝕でのグリフィスの心の葛藤は、とても大切な部分ですので何度か読んでいただけると嬉しいです。
2.背景
グリフィスは、幽閉後、地獄の拷問を一年もの長きにわたりずっと受け続けていました。
身も心もズタボロで這いずることさえできない状態でした。
このためグリィフィスは、自国を手に入れるという夢と希望を喪失してしまい、蝕の以前においてもはや自分にできることは自殺しかないと思い込みます。そして、川中にあった尖った木切れに向けて時分の首を突き刺そうとしますが、未遂におわり、自暴自棄にかられます。
3.ベヘリットとの再会
その川面に突如として現れたのが、グリフィスが一度失ってしまった真紅のベヘリットでした。
そして、そのベヘリットをグリフィスが見た途端、失墜の最中にいたグリフィスの感情に呼応して、ベヘリットの目から血のしずくが流れいで、ベヘリットが発動しました。そう降摩の儀が執行されようとしていたのです。
【血の涙を流すベヘリット】
ベヘリットが発動するという事は、その持ち主の生への渇望の証です。 あのまま負け犬として死ぬよりもグリフィスにとっては生への渇望が強かったのでしょう。
あの場で仲間を捧げなければ、今まで自分の為に死んでいった仲間を裏切る、そして自分自身の夢を裏切る事になるとグリフィスは感じたのです。
ゴッドハンドの一人であるユービックにそのようなことを夢の中で知らされて、グリィフィスは、一度は忘れかけていた【コミック第12巻『路地裏の少年』参照】自分の夢とは何かを思い出したのです。
だからこそ鷹の団の仲間を捧げた。
そう思わなければグリフィスのファンの一人として僕はとてもやっていけない面持ちです。
4.グリフィスの夢の真実とは?
グリフィスの夢の真実とは何だったのでしょうか?
掲示板などで掲載されているように、彼のプライドだけの問題でガッツ達仲間を生贄に捧げることなどできたのでしょうか???
だとすると、グリフィスがいかにもちっぽけな存在に思えてなりません。
グリフィスの本当の思いは、ミッドランド国とチューダー帝国との100年戦争を終結し、人類恒久の平和の確立という壮大な夢の実現にあったはずです。
確かにキャスカをフェムトになって犯したのは、フェムトことグリフィスが、ガッツがキャスカのことを好きであったことを知っており、それ故、自分を捨てて出て行き、結果、廃人同様に自分をしたガッツへの復讐に他ならなかったのかもしれません。
グリフィスがおかしくなったのは、ガッツが鷹の団を退団してからです。
グリフィスは、ガッツの退団を食い止めようとガッツと死闘を演じます。
けれど、戦いの最前線で叩き上げられて強くなったガッツにグリフィスは完敗してしまいました。
それにより、グリフィスはガッツに裏切られたような気になり、そのショックでプライドがズタズタになって、王姫シャルロットに対して夜這いするような暴挙に出たのです。
ですが、自分の国を作って世の中を平定するという非常に壮大な夢をもったグリフィスが、ガッツを憎むほどにまでなるのはなぜでしょう?という疑問が生じます。
結局彼にとってガッツは「親友」ではなく 「主従」でしかなかったのでしょうか? それとも結局は愛情の裏返しでしょうか?
5.グリフィスの想いの真実とは?
僕が思うに愛情の裏返しではなったのでしょうか。
そして、その愛情は嫉妬であった。つまり、キャスカはガッツと恋仲であり、グリフィスができなかったガッツのハートを掴んだのは、キャスカであって自分ではなかったかと思い込んでしまった。
また、巷でよく言われるようにグリフィスがホモセクシュアルであったと想定すると、自分にはできなかったガッツのハートを掴んだキャスカのことを、グリフィスは憎んですらいたのかもしれません。
キャスカを憎む契機となったのはそれ以外にもあります。むしろこちらの方がグリフィスがキャスカを憎む割合は多かったかもしれません。
それは、ガッツを含むキャスカ達鷹の団最強の戦士数人と王姫シャルロットとともに行ったグリフィス救出作戦が成功した後、しばらくの間、グリフィスが鷹の団の馬車内で静養している時期があるのですが、その一幕でキャスカがグリフィスの包帯を換えているときにグリフィスがキャスカを押し倒そうとした場面があります(ベルセルク第12巻『黄昏の戦士達』参照)。
このときグリフィスは、キャスカに小さな声で『やめ・・・!!』と言われて抵抗されるとともに手で遮られます。しかしその後しばらくしてキャスカは彼女の左手をグリフィスの背中に宛がってグリフィスを受け入れた形を取るのです。この同情は男としては非常に辛いものがあるのではないでしょうか。
グリフィスとしては、キャスカが自分のことを崇拝していたことを知っていたので、現在廃人同様の身であってもキャスカはきっと時分を受け入れてくれると思い込んでいたのです。
なのに、そのキャスカからノーを突き付けられるばかりか同情されたことによって、自分のプライドがかってなく酷く傷つけられたのだと思います。
つまりグリフィスは、キャスカのことを甘く見ていたので、キャスカから拒絶されるなどとはつゆにも思わなかったわけで、男として非常に傷ついたというわけです。
その腹いせのためにグリフィスはキャスカを陵辱したとはいえないでしょうか。
ガッツに逃げられた夜、グリフィスは王姫シャルロットを夜這いするわけです。けれども、あれはどう見てもグリフィスの頭の中ではガッツを犯していたのかもしれない!
なので、蝕でキャスカを犯したのは、上述のように、キャスカに対する憎しみがあったかもしれないですが、自分を裏切って出て行ったガッツへの当てつけもあり、『それみろやっぱりキャスカが好きなのは自分であって、ガッツお前ではないんだ』とグリフィスは言いたかったのかもしれないです。
「グリフィスホモ!?」っていう意見がたくさんあります。まぁホモなんでしょうけど、彼にとっては、あんまり男女の価値観の境みたいなものは無いのかもしれません。つまり両刀遣い!?
なお、グリフィスのホモ説については僕の別記事『【ベルセルク】グリフィスのホモ説を徹底考察してみた!』があります。宜しければこちらも読んで頂けると嬉しいです。人気記事でもあり、読ませて損はさせません!
グリフィスはガッツのことが羨ましかったのです。 グリフィスには自分の国を手に入れるという夢がありました。その夢は、自分だけでなく周りの人間も取り囲んでしまうほどスケールの大きなものでした。
そして、その夢を達成せんがため、手段はともかく、彼は目指す通りの人生を、ガッツと別れるまでは歩んでいました。
みんなグリフィスに夢中でした。
そんな中、唯一ガッツだけはグリフィスから飛び立とうとし、彼の範疇から自由になることを選びました。
6.グリフィスの想いの背景にあるガッツとは?
グリフィスには、自分の夢実現のためには自らも犠牲にならないといけないという思いがどこかにあったのに対し、ガッツは何者にも縛られない自由な生き方をしているとグリフィスは思ったのではないでしょうか。
「自分の夢実現のため、これまで誰一人としてグリフィスに従わないものはいなかった。皆自分のいいなりだった。それのに、こいつガッツだけは違う、何にも縛られていない。ガッツだけが本当の自由人ではないのか?」そう思うと、グリフィスは、もう引き返すことのできない立場にある自分に不自由さを感じたのかもしれません。
”自由であったころの自分に戻りたい”そんな気にグリフィスはもしかしたらなったのかもしれません。なんせ平民出であったのに今や伯爵という貴族のご身分でしたし、自分の意志に因る因らないに拘わらず、伯爵となった今、そこに自由のきかないグリフィスがいたことは確かでしょう。
一方ガッツは、自分の好き勝手なことができる自由な身にありました。このようなガッツのことをグリフィスは、あらゆる面で妬ましかったのかもしれません。
7.グリフィスのガッツに対する本当の想いとは?
なので、ガッツがグリフィスの元を立ち去ろうとするのを阻止する一騎打ちをガッツとしたときに、グリフィスは、もしかしたら自分の剣技でガッツを殺してしまうかもしれないという思いが一瞬よぎりました。しかし、それでも構わないとまでいっています(ベルセルク第8巻旅立ちの朝(3)参照)。
このようにグリフィスが考えたのは、グリフィスは彼自身が、自分の夢に縛られていたからだと思うのです。 だからグリフィスは転生する直前に、ガッツに対してこう言った(思った)のです。
『お前だけが 俺に夢を忘れさせた』
この言葉のことを、ガッツに対するグリフィスの愛着心からでたと思っている読者が多いのではないかという気がするのですが、実はこれ、グリフィスのガッツに対する嫉妬から出た言葉ではなかったかという気がしています。
ただ、ベルセルク第12巻『城』の画像の一つに二人が肩を組んで歩いている状態を示したものがあり、一見するとこの画が二人が男同士の親友であることを想記できるようなイメージを読者に与えるかもしれません。
けれど、グリフィスがホモであっても、そのような画像があってもおかしくないとも思えるので、この画だけからではグリフィスがホモではないという結論には至らないと考えます。
ホモの嫉妬は異常だとよく言われます。
そのことがグリフィスにも当て嵌まるとしたならば、キャスカを蝕において陵辱したときのグリフィスことフェムトの冷たすぎるキャスカへの眼差しや、ガッツに対する冷徹な言動などがホモであったが故のものという理由でいえるのではないかという気がするのですがいかがでしょうか!?
この考えが正しいとすれば、グリフィスがゴッドハンドになることを選んだ理由は、極めてエゴイスティックで身勝手な小さなものであり、グリフィスへのそれまでの思いがシュンとして小さくなってしまうのは僕だけでしょうか?
8.まとめ
いかがでしたか?
今回は、『【ベルセルク】グリフィスがゴッドハンドになることを選んだ理由はこれ!』についてご紹介いたしました。
これで、何故グリフィスが、ガッツやキャスカなどの鷹の団の団員達を蝕で行贄にしてしまったのかの回答のヒントになると思うのですが、あなたの参考になれたでしょうか。
ぜひ参考にして見てください。
今日も僕のブログ “【そあかん】ベルセルク漫画アニメ映画まとめブログ” にご来訪頂き本当にありがとうございます。
これからも頑張りますのでお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
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