原作者三浦先生の作品は、画集とも呼ばれるほど完成度が高いといわれています。
そのことは、あなたも何度となくお聞きになったことがあるのではないでしょうか。
ベルセルクは、1989年10月に現在のヤングアニマルのもととなったアニマルハウスに掲載されたのを皮切りに、途中、休載は何度かあったものの、本年2017年6月までの28年の長きに亘って世に出され、現在も月1ペースで連載されている冒険ファンタジー漫画です。
ですが、これだけ長期に亘って続いていると、多少の嘘や矛盾点など疑問に思うことがあるのが普通だと思います。興味をそそるものがいくつかありましたので、それらについて列挙解説してみたいと思います。
それでは本日も張り切って参りましょう。
目次
1. コミック第1巻
1-1.妖精パックの性格についての矛盾(『黒い剣士』の節第13頁)
【妖精パックの性格についての矛盾画像】
妖精パックは本来は非常に気弱であり、上記画面の左下の画像のように、自分に危険が差し迫った場合にはオタオタするのが自然だと思います。
これに対し、上記画面右側の画像からは、パックが気弱というイメージは一切伺うことができないと思い、矛盾画像と思い列挙いたしました。
また、パックは後に”くりパック”と仇名され、ふっくらというよりもデブな妖精というキャラで登場するのが普通になります。
それまでは結構二枚目な妖精として登場するわけですが、どうして二枚目から三枚目に転じたのでしょうか?
ベルセルクが連載されることが決まってから作者の三浦先生は、ガッツが狂った戦士つまり、凶暴で破壊的な戦士というイメージを強調したかったといっています(そのあたりのことは、僕の別のブログ記事『ベルセルク新アニメ漫画連載再開 作者三浦先生の苦悩 その根拠と理由は?』にでも掲載しておりますので、よろしかったらご覧頂けると嬉しいです。)。
なので、物語全体にシリアスなイメージを与えたかったが故、登場人物のどれをとっても笑える雰囲気というものはあまりなかったように思われます。
くりパックとして人気を博している現在のパックとは異なるイメージが最初の頃のパックにはあったわけです。
つまり妖精エルフというイメージがパックにはありました。もっとも今でも真剣な場面に登場してくるパックは二枚目パックですが、圧倒的に三枚目のくりパックとしての登場場面が多いです。
これは、ガッツ以外の登場人物にイシドロやマニフィコなど三枚目役の登場人物が出てきたことに通じるものがあると思います。
暗いばかりのベルセルクではなく、仲間と旅する場面にほっとする場面が多数出てきたことに影響されていると考えます。
1-2.ガッツが他人に触れられるのを極端に嫌う理由(『黒い剣士』の節第26頁、第45頁参照)
【俺に触るな1】
【俺に触るな2】
ガッツは誰かに触られるのを極端に嫌います。なぜこれ程にも触られるのがいやなのか?疑問に思いました。
その答えは、養父ガンビーノによって、僅か銀貨3枚で傭兵仲間のドノバンに売られ、そのことがトラウマになっていることが原因と思われます。
このときガッツはわずか9歳です。
普通であればまだまだ母親が愛おしくてしかたない年頃です。
けれどガッツは3歳で、ペストにかかった養母シスを失います。
その後ガッツは、鬼のように冷徹な養父ガンビーノによって剣の使い方のみをたたき込まれて育ちます。
それでもガッツは、ガンビーノに気に入られようと、幼いながらも懸命に剣の稽古に明け暮れます。
その矢先にガンビーノに裏切れ、ドノバンによる辱めをわずか9歳で受けます。信じていた人に裏切られるだけでなく、性的にもどん底に落とされます。
こんな背景があったら誰しも強いトラウマになるのは当たり前です。
【ドノバンに犯されそうになっている幼少の頃のガッツ】
1-3.百人切りをしたガッツにそぐわない降参画像『黒い剣士』第26頁参照】
【百人切り成功者のガッツが少数の兵士と剣を構えることなく捕虜となる】
【捕縛されたガッツ】
第1巻の内容は、蝕を経験した後のガッツの流浪の旅の物語です。
ガッツは、コミック第7巻『生還』の節において、百人切りを経験しています。
この百人切りの後、ガッツは蝕を経て生き残り、流浪の旅にでる物語が第1巻の内容です。
なので、上の画像で見られる20人にも満たない数の兵士に既に100人切り成功経験者のガッツが負けるわけがなく、それにも拘わらずガッツが捕縛されるのはおかしいなと思いました。
1-4.寝る暇もないとつぶやくガッツ(烙印の節第125頁参照)
【蝕経験後のガッツに眠れる夜が来ないのは明らかなのに愚痴るガッツ】
上記の画像は、ガッツが、旅の途中で、馬車に乗った祭司とその娘コレットの善意により、馬車にて仮眠していたときに悪霊である夢魔がガッツの夢の中に出現したときのガッツのセリフです。
蝕を経験したガッツには、悪霊が夜な夜な襲い掛かり、眠れる夜などこないことは当然分かっていました。
なのに、初めて経験したかのようにも取れる発言をしたことに、少しはてなマークがでました。
まぁ第1巻では、初めての読者には眠れる夜が来ないことがまだわかっていないので、説明したということだと思うのです。けれど、内容を知った上で再読すると少し無理があるなと感じたので掲載しました。
2. コミック第7巻
2-1.チューダー帝国ドルトレイ城塞
【難攻不落のチューダー帝国ドルトレイ城塞】
ドルトレイ城塞は、城壁は二重、高さも厚みも並の城の倍はある一大拠点です。しかも城の後ろは断崖絶壁で、前方は見晴らしの利く盆地です。
このため、100年もの長きに亘って誰も攻め入ることのできない難攻不落の城といわれました。
このような不死身とも言える頑強な要塞ですが、なんと過去には、鷹の団の属するミッドランド王国の国境防衛の要でした(ドルトレイ攻略戦1参照)。
では、なぜそのような大要塞のドルトレイ城塞が、敵国チューダー帝国の手に落ちたのか?その理由は原作のどこにも書かれておりません。
しかしながら、ミッドランドの地名の由来が「中央の地」というところから来ていることを考慮すると、ミッドランド王国は、その境界周辺が他国に囲まれているわけです。
したがって、チューダー帝国以外の周辺国家との戦いで手薄になった状態のドルトレイ城塞の隙を突いて、チューダー帝国が領土侵略のために攻め入ったことが陥落の原因とは考えられませんでしょうか。
しかも、そのような鉄壁のドルトレイ城を鷹の団が陥落するまで守っていたのは、チューダー帝国最強騎士団で、猛将ボスコーン将軍率いる紫犀聖騎士団であったわけです。
言ってみれば、チューダー帝国にあっては、ドルトレイ城は、鬼に金棒な状態なわけですから、グリフィス率いる鷹の団以外の騎士団が束になってかかっても勝てるわけがないのは当たり前、難攻不落な城といえるのではないでしょうか?
3.まとめ
ベルセルクは僕のように何回も読む読者もいると思われるのですが、28年もの長きに亘って連載されると矛盾点がたくさんあるのではないかと思っていました。
今回はコミック第1巻から第7巻までのなかで嘘、疑問、矛楯なのではと感じる部分をピックアップしてみましたが、さすが三浦先生だけあって、それらの数がとても少ないと感じました。
ましてや嘘や手抜きと思われる箇所など今のところ一つも発見することができませんでした。
脱帽の一言に尽きます。
8巻以降も引き続き検討してみますので続きをお待ちください。
今日も僕のブログ”【そあかん】ベルセルク漫画アニメ映画まとめブログ”にご来訪頂きありがとうございました。
これからも頑張りますのでお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
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