
【キャスカ】
キャスカのグリフィスに対する想いは、キャスカが親に食いぶちを減らすため貴族に売られ、キャスカに対し貴族が辱めの行為をしたときに、そこにたまたま通り掛かった、まだ幼さの残るグリフィスに助けられた12歳の時に遡ります。
1.キャスカとグリフィスとの出逢い
キャスカを助けたときにグリフィスは、キャスカに対し、自分の人生を自分で選択することを教えます。
そして、キャスカに剣を取らせて、自分の命を自らの力で守らせました(ベルセルク第6巻キャスカ2参照)。
さらに、キャスカに鷹の団へ入団することを許し、キャスカは女の身でありながら千人長にまで昇りつめます。それはキャスカの努力の賜(たまもの)といえるものでしたが、グリフィスに対するキャスカの尊敬と敬愛の念に基づくものであり、キャスカのグリフィスに認めて欲しいが故にできた努力の結果であったと考えます。
2.キャスカの取るべき道
けれど、グリフィスの夢、すなわちグリフィスが自分の国を持つためには、自分(キャスカ)がグリフィスの女になることは許されるものではなく、また、異性としてのグリフィスを諦めざるを得ないことをキャスカは知っていました。
キャスカがグリフィスの隣にいられるために取るべき道は、グリフィスの剣(つるぎ)になることだけでした。
グリフィスのために戦い、グリフィスのために女を捨て、男として生きることだけがキャスカに残された道だったのです。
キャスカが千人長になれたのは、これらのことが原動力となっていたことは間違いないでしょう。
3.キャスカに残された夢を奪ったガッツとグリフィスによるキャスカ否定
しかし、グリフィス専属の剣になるという残されたキャスカの夢もガッツの出現によって打ち砕かれます。
これは、グリフィスが、ガッツのことを「オレはお前が欲しいんだ」と言いましたが(ベルセルク第6巻黄金時代5参照)、キャスカが千人長になっても、グリフィスが、そのような直接的な台詞をキャスカに向かって言ったことが無かったことから明らかでしょう。
少なくともグリフィスには、キャスカとの間に男と女という意味での恋愛感情はありませんでした。グリフィスにとって必要であったものは、自分の夢実現のために使えるものだけでしかなかったのです。
なので、グリフィスは、ガッツ介抱のため、キャスカに対し『男を温めるのは女の役目だ』といって、二日二晩ガッツに裸で添い寝することをキャスカに命じることできたのです(ベルセルク第6巻黄金時代5参照。)
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4.グリフィスによるキャスカ陵辱の理由
ところで、グリフィスは、なぜ恋愛感情の無いキャスカを蝕において陵辱したのでしょうか?
グリフィスは、ガッツに対して、既述のように「お前が欲しいんだ」と述べました。
けれども、ガッツは、そんなグリフィスを残して、一人鷹の団を離れて行こうとしました【コミック第8巻『旅立ちの朝(2)』参照】。
このことで、グリフィスは、自分がガッツのことを想っているほど、ガッツは自分のことを重要視していないのではないかと勘違いしたのではないかという気がします。
本当はガッツの思いはその反対であったのに、プライドの高いグリフィスは、自尊心をひどく傷つけられたと誤解したのではないでしょうか?
このため、グリフィスは、ガッツと死闘を演じたときに、ガッツがどうあっても自分のところから去って行くのであれば、そんなガッツはいらない、死んでも構わない、とまで思ってしまいます【コミック第8巻『旅立ちの朝(3)』参照】。
本当は、ガッツだって、グリフィスや鷹の団から離れたくはなかったにも拘わらずです。
しかし、不幸にもミッドランド王国のシャルロット王姫が主催した夜会の時にグリフィスがシャルロットに言った、グリフィスにとっての真の友の定義を、ガッツは、偶然、その場に居合わせて聞き及んでいました。
その結果、ガッツは、今の自分では、グリフィスにとっての真の友としては相応(ふさわ)しくないのではないかと思ってしまったのです。
そして、その相応しく無い自分が、グリフィスのそばにいることはできないとガッツは考え、グリフィスの元を去り、グリフィスの真の友となるべく、一人修行の道を選んだのです。
そのことをグリフィスが既述のように勘違いしてしまったことで、二人にとっても鷹の団にとっても不幸の始まりになったわけです。
けれど、そのことに、当の本人たちは勿論、誰も気付くことができませんでした。
また、グリフィスは、これまで、与える側の人間でした。グリフィスが与えたものは、多くの者の夢や希望につながるものでした。
そして、それができる自分にグリフィスは自分の存在価値を見いだしたのではないかと思うのです。
自分の国を持つというグリフィスの夢に皆が酔いしれて集ってくれたわけです。なので、グリフィスの自尊心がどれだけ満たされていたかは想像に難くないでしょう。
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そんなグリィフィスでしたが、グリィフィスにとってガッツだけが、グリフィスに自分の夢を忘れさせる程に真の友情の素晴らしさを教えてくれた存在でした。つまり、ガッツは、グリフィスとイーブンの関係であり、そのような関係にある者は、これまでグリフィスには居なかったわけです。言い換えれば、ガッツは、グリフィスに与える側の人間でもあったわけです。
ところが、グリフィスは、ガッツが自分と対等であることは許せたのですが、自分よりも格上のガッツは、許せなかったのだと思います。
どうしてかというと、自分がガッツよりも格下であると、グリフィスの夢である覇王の夢が露と消え失せてしまうからです。
しかし、実際は自分の方がガッツよりも格下であるという現実が、突然グリフィスに突き付けられます。
これまでガッツとの関係において、すべてにおいて常に上位にあった自分が、雪の降る日のある夜、ガッツとの死闘を境に、少なくとも剣技や侠気(おとこぎ)に関しては、立場が逆転してしまいます。しかも、部下であるキャスカたちの目の前で、これまで見せたことの無い敗北を晒(さら)すことになったからです。
この敗北は、グリフィスにとっては、自分の夢達成よりも重要な自分の価値感を根底から覆(くつがえ)すに等しいものだったのだと思います。
ですので、それまで常勝無敗であったグリフィスにとっては、この敗北を契機にガッツを憎く思う気持ちの芽生えになったと考えたのですがいかがでしょうか。
それ故、蝕において、ガッツにとって何者にも換えがたい大事なキャスカを辱める行為にグリフィスが出ることで、キャスカが本当に好きなのは、実は自分であることをガッツに思い知らせたいという気持ちにグリフィスはなったのかもしれません。
キャスカが本当に好きなのは自分だということをガッツに知らしめることで、自分の優位性を保ちたいという気持ちがグリフィスにはあったのではないかという気がします。
そして、そのことを気持ち的に確かめる意味で、グリフィスは、リッケルトが建てた鷹の団の団員たちの墓である『剣のお墓』にて、新しい肉体(からだ)でガッツの前に立ち、心揺さぶる何かがあるのかを確かめに来たのです。
自分の心が、鷹の団を生贄にしたことで制約を受けることなく自由であることを確認したとグリフィスはガッツに語ります。それは、すべて自分の夢を裏切らないことが理由であるとグリフィスはガッツにいったのです。換言すると、だから自分は悪くないんだとグリフィスはガッツに言ったのです。
このように考えますと、グリフィスという男は、実はあまり肝っ玉の据(す)わった男ではない、嫉妬狂いのちっぽけな男ではなかったかという気さえしてきます。
一方で、そんな男がどうして因果律で定められた律の者になるの?という疑問がわくのを否めないのも事実です。
5.キャスカの気持ちは?
ところで、キャスカにとってのグリフィスとのまぐあいは、グリフィスの夢の達成を考えると、それはこれまで不可能な現実でした。まさしく、キャスカにとっては晴天の霹靂(へきれき)、二度とあり得ない行為であったわけです。
しかしながら、1年前の雪の降るある夜、グリフィスとの死闘に勝ったガッツがキャスカたちの前から姿を消すときに、キャスカは、ガッツの後ろ姿に対して”ガッツ・・・”と大きな声で叫びます。
名作シェーンにおいて、シェーンが世話になった家を馬に跨がって去るとき、その家の少年でシェーンと仲が良かったジェーンが『シェーンカムバック』と叫んだ最後の場面を僕は思い出しました。
キャスカがガッツに抱いた行かないでという想いから明らかなように、ガッツに対するキャスカの気持ちは、恋愛感情そのものに変わったのでした。それ故、二人はその後男女の関係にもなったわけですが【コミック第9巻『傷(1),(2)』参照】・・・。
したがって、ガッツと男女の関係になったキャスカは、蝕において、自分とグリフィスとの行為の最中をガッツに見られるのは耐え難かった、そう言えるのではないでしょうか。
特にグリフィスとの行為の最中に自分の体が、自分の意思とは逆行して、グリフィスを受け入れてしまう仕草をガッツにはどうしても知られたくなかったのだと思います【コミック第13巻『誕生』及び『右目の残照』参照】。
それ故に、思わず出てしまったことばが、ガッツに対する『見ないで・・・・・・・・』だったわけです。
まじめそのもののキャスカらしいことばではなかったでしょうか。
そして、このまじめであるが故に、家族同様であった鷹の団の仲間が、それまで自分が敬愛し予言者か何かのように崇拝していたグリフィスによって無残にも殺戮(さつりく)されたことと、上記のように陵辱(りょうじょく)された自分の心と体とでは矛盾していることをガッツに見られているということとが相俟って、キャスカの心を破壊したのでした。
それ故、キャスカにとっては、本当に耐え難き行為を受けた結果というか、精神がバキバキのずたぼろになったが故の結果が、幼児退行化現象となって現れたと僕には思えるのです。
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6.まとめ
いかがでしたか?今回は、「キャスカ蝕『見ないで!』の本音と幼児退行化を根拠に基き考察する!」について紹介いたしました。
精神に異常を来たす程の錯乱状態というものがどれ程狂おしいものか、経験の無い僕には想像が付きません。
ですが、その苦痛といったら、言葉では言い表せない程のものであろうことは容易に想像がつきます。
ましてやその対象が、尊敬し、家族同様の愛を注げる人グリフィスによるものであったとしたら、どれだけキャスカにとって悲惨極まりなかったことでしょう。
これを理解できるのは、実父に辱めを受けたミッドランド王国の王姫シャルロット位ではないでしょうか。
そして、キャスカにとって一番見られたくないガッツに自分の恥ずかしい部分を知られてしまったキャスカがまじめであればある程、その苦痛は、耐え難きものだったと思うのです。
以上の理由から、キャスカが精神的に変調を来たしておかしくなっても不思議はないと考えます。
今日も僕のブログ”【そあかん】ベルセルク漫画アニメ映画まとめブログ”にご来訪頂きありがとうございました。
これからも頑張りますのでお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
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キャスカ蝕『見ないで!』の本音と幼児退行化を根拠に基き考察する!
2016/11/7 【そあかん】ベルセルク漫画アニメ映画まとめブログ, 解説, その他面白い記事, キャスカ, 根拠
【キャスカ】
キャスカのグリフィスに対する想いは、キャスカが親に食いぶちを減らすため貴族に売られ、キャスカに対し貴族が辱めの行為をしたときに、そこにたまたま通り掛かった、まだ幼さの残るグリフィスに助けられた12歳の時に遡ります。
目次
1.キャスカとグリフィスとの出逢い
キャスカを助けたときにグリフィスは、キャスカに対し、自分の人生を自分で選択することを教えます。
そして、キャスカに剣を取らせて、自分の命を自らの力で守らせました(ベルセルク第6巻キャスカ2参照)。
さらに、キャスカに鷹の団へ入団することを許し、キャスカは女の身でありながら千人長にまで昇りつめます。それはキャスカの努力の賜(たまもの)といえるものでしたが、グリフィスに対するキャスカの尊敬と敬愛の念に基づくものであり、キャスカのグリフィスに認めて欲しいが故にできた努力の結果であったと考えます。
2.キャスカの取るべき道
けれど、グリフィスの夢、すなわちグリフィスが自分の国を持つためには、自分(キャスカ)がグリフィスの女になることは許されるものではなく、また、異性としてのグリフィスを諦めざるを得ないことをキャスカは知っていました。
キャスカがグリフィスの隣にいられるために取るべき道は、グリフィスの剣(つるぎ)になることだけでした。
グリフィスのために戦い、グリフィスのために女を捨て、男として生きることだけがキャスカに残された道だったのです。
キャスカが千人長になれたのは、これらのことが原動力となっていたことは間違いないでしょう。
3.キャスカに残された夢を奪ったガッツとグリフィスによるキャスカ否定
しかし、グリフィス専属の剣になるという残されたキャスカの夢もガッツの出現によって打ち砕かれます。
これは、グリフィスが、ガッツのことを「オレはお前が欲しいんだ」と言いましたが(ベルセルク第6巻黄金時代5参照)、キャスカが千人長になっても、グリフィスが、そのような直接的な台詞をキャスカに向かって言ったことが無かったことから明らかでしょう。
少なくともグリフィスには、キャスカとの間に男と女という意味での恋愛感情はありませんでした。グリフィスにとって必要であったものは、自分の夢実現のために使えるものだけでしかなかったのです。
なので、グリフィスは、ガッツ介抱のため、キャスカに対し『男を温めるのは女の役目だ』といって、二日二晩ガッツに裸で添い寝することをキャスカに命じることできたのです(ベルセルク第6巻黄金時代5参照。)
4.グリフィスによるキャスカ陵辱の理由
ところで、グリフィスは、なぜ恋愛感情の無いキャスカを蝕において陵辱したのでしょうか?
グリフィスは、ガッツに対して、既述のように「お前が欲しいんだ」と述べました。
けれども、ガッツは、そんなグリフィスを残して、一人鷹の団を離れて行こうとしました【コミック第8巻『旅立ちの朝(2)』参照】。
このことで、グリフィスは、自分がガッツのことを想っているほど、ガッツは自分のことを重要視していないのではないかと勘違いしたのではないかという気がします。
本当はガッツの思いはその反対であったのに、プライドの高いグリフィスは、自尊心をひどく傷つけられたと誤解したのではないでしょうか?
このため、グリフィスは、ガッツと死闘を演じたときに、ガッツがどうあっても自分のところから去って行くのであれば、そんなガッツはいらない、死んでも構わない、とまで思ってしまいます【コミック第8巻『旅立ちの朝(3)』参照】。
本当は、ガッツだって、グリフィスや鷹の団から離れたくはなかったにも拘わらずです。
しかし、不幸にもミッドランド王国のシャルロット王姫が主催した夜会の時にグリフィスがシャルロットに言った、グリフィスにとっての真の友の定義を、ガッツは、偶然、その場に居合わせて聞き及んでいました。
その結果、ガッツは、今の自分では、グリフィスにとっての真の友としては相応(ふさわ)しくないのではないかと思ってしまったのです。
そして、その相応しく無い自分が、グリフィスのそばにいることはできないとガッツは考え、グリフィスの元を去り、グリフィスの真の友となるべく、一人修行の道を選んだのです。
そのことをグリフィスが既述のように勘違いしてしまったことで、二人にとっても鷹の団にとっても不幸の始まりになったわけです。
けれど、そのことに、当の本人たちは勿論、誰も気付くことができませんでした。
また、グリフィスは、これまで、与える側の人間でした。グリフィスが与えたものは、多くの者の夢や希望につながるものでした。
そして、それができる自分にグリフィスは自分の存在価値を見いだしたのではないかと思うのです。
自分の国を持つというグリフィスの夢に皆が酔いしれて集ってくれたわけです。なので、グリフィスの自尊心がどれだけ満たされていたかは想像に難くないでしょう。
そんなグリィフィスでしたが、グリィフィスにとってガッツだけが、グリフィスに自分の夢を忘れさせる程に真の友情の素晴らしさを教えてくれた存在でした。つまり、ガッツは、グリフィスとイーブンの関係であり、そのような関係にある者は、これまでグリフィスには居なかったわけです。言い換えれば、ガッツは、グリフィスに与える側の人間でもあったわけです。
ところが、グリフィスは、ガッツが自分と対等であることは許せたのですが、自分よりも格上のガッツは、許せなかったのだと思います。
どうしてかというと、自分がガッツよりも格下であると、グリフィスの夢である覇王の夢が露と消え失せてしまうからです。
しかし、実際は自分の方がガッツよりも格下であるという現実が、突然グリフィスに突き付けられます。
これまでガッツとの関係において、すべてにおいて常に上位にあった自分が、雪の降る日のある夜、ガッツとの死闘を境に、少なくとも剣技や侠気(おとこぎ)に関しては、立場が逆転してしまいます。しかも、部下であるキャスカたちの目の前で、これまで見せたことの無い敗北を晒(さら)すことになったからです。
この敗北は、グリフィスにとっては、自分の夢達成よりも重要な自分の価値感を根底から覆(くつがえ)すに等しいものだったのだと思います。
ですので、それまで常勝無敗であったグリフィスにとっては、この敗北を契機にガッツを憎く思う気持ちの芽生えになったと考えたのですがいかがでしょうか。
それ故、蝕において、ガッツにとって何者にも換えがたい大事なキャスカを辱める行為にグリフィスが出ることで、キャスカが本当に好きなのは、実は自分であることをガッツに思い知らせたいという気持ちにグリフィスはなったのかもしれません。
キャスカが本当に好きなのは自分だということをガッツに知らしめることで、自分の優位性を保ちたいという気持ちがグリフィスにはあったのではないかという気がします。
そして、そのことを気持ち的に確かめる意味で、グリフィスは、リッケルトが建てた鷹の団の団員たちの墓である『剣のお墓』にて、新しい肉体(からだ)でガッツの前に立ち、心揺さぶる何かがあるのかを確かめに来たのです。
自分の心が、鷹の団を生贄にしたことで制約を受けることなく自由であることを確認したとグリフィスはガッツに語ります。それは、すべて自分の夢を裏切らないことが理由であるとグリフィスはガッツにいったのです。換言すると、だから自分は悪くないんだとグリフィスはガッツに言ったのです。
このように考えますと、グリフィスという男は、実はあまり肝っ玉の据(す)わった男ではない、嫉妬狂いのちっぽけな男ではなかったかという気さえしてきます。
一方で、そんな男がどうして因果律で定められた律の者になるの?という疑問がわくのを否めないのも事実です。
5.キャスカの気持ちは?
ところで、キャスカにとってのグリフィスとのまぐあいは、グリフィスの夢の達成を考えると、それはこれまで不可能な現実でした。まさしく、キャスカにとっては晴天の霹靂(へきれき)、二度とあり得ない行為であったわけです。
しかしながら、1年前の雪の降るある夜、グリフィスとの死闘に勝ったガッツがキャスカたちの前から姿を消すときに、キャスカは、ガッツの後ろ姿に対して”ガッツ・・・”と大きな声で叫びます。
名作シェーンにおいて、シェーンが世話になった家を馬に跨がって去るとき、その家の少年でシェーンと仲が良かったジェーンが『シェーンカムバック』と叫んだ最後の場面を僕は思い出しました。
キャスカがガッツに抱いた行かないでという想いから明らかなように、ガッツに対するキャスカの気持ちは、恋愛感情そのものに変わったのでした。それ故、二人はその後男女の関係にもなったわけですが【コミック第9巻『傷(1),(2)』参照】・・・。
したがって、ガッツと男女の関係になったキャスカは、蝕において、自分とグリフィスとの行為の最中をガッツに見られるのは耐え難かった、そう言えるのではないでしょうか。
特にグリフィスとの行為の最中に自分の体が、自分の意思とは逆行して、グリフィスを受け入れてしまう仕草をガッツにはどうしても知られたくなかったのだと思います【コミック第13巻『誕生』及び『右目の残照』参照】。
それ故に、思わず出てしまったことばが、ガッツに対する『見ないで・・・・・・・・』だったわけです。
まじめそのもののキャスカらしいことばではなかったでしょうか。
そして、このまじめであるが故に、家族同様であった鷹の団の仲間が、それまで自分が敬愛し予言者か何かのように崇拝していたグリフィスによって無残にも殺戮(さつりく)されたことと、上記のように陵辱(りょうじょく)された自分の心と体とでは矛盾していることをガッツに見られているということとが相俟って、キャスカの心を破壊したのでした。
それ故、キャスカにとっては、本当に耐え難き行為を受けた結果というか、精神がバキバキのずたぼろになったが故の結果が、幼児退行化現象となって現れたと僕には思えるのです。
6.まとめ
いかがでしたか?今回は、「キャスカ蝕『見ないで!』の本音と幼児退行化を根拠に基き考察する!」について紹介いたしました。
精神に異常を来たす程の錯乱状態というものがどれ程狂おしいものか、経験の無い僕には想像が付きません。
ですが、その苦痛といったら、言葉では言い表せない程のものであろうことは容易に想像がつきます。
ましてやその対象が、尊敬し、家族同様の愛を注げる人グリフィスによるものであったとしたら、どれだけキャスカにとって悲惨極まりなかったことでしょう。
これを理解できるのは、実父に辱めを受けたミッドランド王国の王姫シャルロット位ではないでしょうか。
そして、キャスカにとって一番見られたくないガッツに自分の恥ずかしい部分を知られてしまったキャスカがまじめであればある程、その苦痛は、耐え難きものだったと思うのです。
以上の理由から、キャスカが精神的に変調を来たしておかしくなっても不思議はないと考えます。
今日も僕のブログ”【そあかん】ベルセルク漫画アニメ映画まとめブログ”にご来訪頂きありがとうございました。
これからも頑張りますのでお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
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1.ベルセルクえっ!これ本当にグリフィスの顔!?拷問後の顔初公開
2.ベルセルクの原作の終わりを根拠に基づき予想する!
3.ベヘリットゴッドハンド降摩の儀蝕使徒生贄の烙印その他重要な言葉
4.【ベルセルク】キャスカが会いたい人は誰なのかを徹底考察!
5.【ベルセルク】キャスカが会いたい人は誰なのかを緊急告知!
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