【チ◯◯コ型の魔物】
ベルセルク第40巻の初っぱなから登場し、シールケとファルネーゼの前に現れたら『魔物』については、私もその画像を見たときにやはり嫌悪感を覚えました。
三浦建太郎先生の悪趣味か?と思ったのですが、生理的嫌悪感を読者が感じるであろうことは、三浦先生であれば当然わかっていたはず。
では、なぜそのような生理的嫌悪感を抱かせるような魔物を登場させたのか?
理由がきっとあると思っていました。
三浦先生は、画像の中にヒントを含ませる手法をよく使われます。
ですので、きっと画像にヒントがあると考え、第40巻及び夢の回廊の始まりについて開示されている第39巻を丁寧に再読しました。
その結果、気付いたことがありましたので、ベルセルクファンの皆様にお知らせする次第です。
では早速行ってみましょう。
1.想記するもの
上記画像から想記するのは、性的や破廉恥なことではないでしょうか?
そのことを裏付けるものがないかと、第39巻をみたところその『記憶の欠片』の章に①チューダー軍・青鯨超重装進撃滅騎士のアドン及び②キャスカがまだ子供の頃、両親から手放されたキャスカをおもちゃにしようとした貴族についての回想画像があることに気付きました。
【アドン】
【貴族】
アドンも貴族も登場人物の格付けからしたら下位の者です。
ましてや当該貴族にあっての描写は、ページ数にしたらせいぜい10ページ程度の僅かでしかありません【コミック第6巻(キャスカ2)参照】。
2.これらの希薄な人物がキャスカの夢に出てきたのはなぜか?
初めてこれら存在の薄い人物についての部分を読んだというか見たとき僕は、下位の格付けの彼らがキャスカの夢の中で登場したのはどうしてなのか?という疑問は持ちました。
ですが、そのことを深く追求することはしませんでした。あまり意味があるものとはそのときは思わなかったからです。
また三浦先生の悪趣味によるものだという先行した思いがあったのでしょう。
正直なところ読み飛ばしたいと思ったほどでしたから。
しかし、ベルセルクの画像には、これまでの例から言っても重要な意味やヒントが隠されている場合が少なくありません。
そのことに気付きますと、直ぐさまその魔物の存在意義がぐっと重要なものと感じるようになったわけです。
アドンは、キャスカを傭兵どもの慰み者だと言っていますし【コミック第7巻(決死行く1)参照】、貴族にあっては、ロリコン癖のオヤジによって、キャスカの純血が危うく犯されそうでした【コミック第6巻(キャスカ2)参照】。
いずれにしろまだ処女であったキャスカにとっては耐えがたい屈辱的な存在がその二人であり、性的な嫌がらせをどちらの者によって受けたとしても、気位の高いキャスカには、到底許せないことであったわけです。
特にまだ子供であったキャスカが貴族に襲われたときの恐怖心といったら精神が壊滅するほどにショッキングな出来事といってよかったでしょう。
ガッツとラブリーな関係【コミック第9巻(傷1、2)参照】になるまでずっとキャスカは、男勝りで、かつ女の身でありながらも千人長という重責を担っていました。
ですのでキャスカにとっては、グリィフィス以外の男は全く眼中になかったわけです。
そのため、自分を手籠めにしようとした憎っくきアドンや貴族の存在は、キャスカの心の中で浄化することなど全くできなかったはずです。
3.複数の魔物が登場した理由
また、この二人の存在以外にもキャスカを陵辱しようとする人物が物語の中には何度か登場しています【コミック第8巻(決死行3)、コミック第23巻(こぼれた時間)他参照】。
当該人物たちは、夢の回廊の中のキャスカの回想の中では登場しません。
ですが、それらの人物によって純真で無垢なキャスカの心が蝕まれたことは明らかでしょう。
よって、その汚らわしい輩たちも先のアドンや貴族と共に『魔物』として投影されたと僕は考えたわけです。
ですので、『魔物』は複数登場したんだと考えました。
この『魔物』が、仮に2体しか登場しなかったとしたら、これらはキャスカとセックスしたガッツと、キャスカを陵辱したフェムトの可能性があるとも考えられるのですが、『魔物』が3以上の複数存在したことで、この予想は否定されました。
しかし、2体の場合には当該魔物はキャスカの見方であるはずです(フェムトの方は疑問?)。疑義が生ずるとは思われますがあくまで仮説です。
キャスカにとって自身の性を征服して然るべき者は、キャスカが心底好きになった人物のガッツとグリィフィス以外はあり得なかったわけです。
従って、キャスカが後退前においてキャスカが陵辱されそうになった危い場面は、彼女の潜在意識に深く強くすり込まれたことは容易に想像できることでしょう。
このため、キャスカが最も性的に嫌悪感を抱いていたアドンと貴族が、キャスカの潜在意識の引き出しから出された結果、夢の回廊におけるキャスカの回想画像の一部として登場したんだと考えます。
4.三浦健太郎先生の思い
このように考えますと、三浦先生が悪趣味で『魔物』を登場させたのではないということが判ると思います。
三浦先生としては、今回の『魔物』が、ご自身の悪趣味と読者に勘違いされることは心外であったと考えます。
よって、当該画像を掲載することは、ご自身の名誉を冒す危険を孕んでいた新しい挑戦であったのではないでしょうか。
では、何故そのようなリスクをしょってまで、これらの『魔物』を登場させたのか?!
それは、画像に含めたヒントから真の意味を読者に想像してもらい、それによってベルセルクの醍醐味をもっと深く味わって欲しいという先生の思いではなかったか?と僕は思うのです。
表面的な情報ばかりでなく、その裏側の部分を読み解くことで、ベルセルクを一層楽しんで欲しいという三浦先生のイズムがそこにあると、今回の検証で僕は感じた次第です。
よって、これをもって今回のネタバレと考えた次第です。
5.まとめ
いかがでしたか?
今回は、”【ベルセルク】コミックス第40巻『魔物』は三浦氏の悪趣味?”について紹介致しました。
今回の紹介で、コミックス第40巻をもう一度読み直そうする人や、初めてベルセルクを読もうとする人のための情報として、そこそこご理解頂けたのではないかと思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
今日も僕のブログ “【そあかん】ベルセルク漫画アニメ映画まとめブログ” にご来訪頂き本当にありがとうございます。
これからも頑張りますのでお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
オススメ記事
1.最新話第357話(ドラえもんのどこでもドア的発想?)を解説!
2.【ベルセルク】漫画最新話(355話)あらすじ感想ネタバレ(うわあああは誰?)
3.ベルセルクえっ!これ本当にグリフィスの顔!?拷問後の顔初公開
5.【ベルセルク】漫画最新話(356話後編)あらすじと感想(してはならないミスにがっかり)を解説!
6.ヘリットゴッドハンド降摩の儀蝕使徒生贄の烙印その他重要な言葉